今月からは、DigiTechのホットなデバイスを詳細にチェックしていきましょう

JamMan Looper/Phrase Sampler

 最長6時間半(2GB CFカード装着時)ものソースを持ち運べるルーパー&サンプラー、その操作は非常にシンプルで、しかも機能的です。まずは、出荷時に装着されている128MBのCFカード(最大24分の記録時間)に収録されているサンプルループを聞いてみましょう。1〜10のループナンバーにサンプルは収録されているので、ディスプレイ右のSELECTダイアルを回して好みのナンバーを選択、そして左のフットスイッチを蹴れば、プレイバックが始まります。そしてTEMPOボタンを適当にタップすると、ピッチはオリジナルのままでループのテンポが変えられます。このサンプルソングだけでも、かなり遊べます。

 自身のループを作成するのも非常にシンプルです。なぜなら、ライブ中にリアルタイムでループが制作できるように、よく考えられているからです。まずは、ブランクのループナンバーをSELECTダイアルで選んでから、ガイドリズムのテンポを決めましょう。簡単です。右のフットスイッチかTEMPOボタンをタップするだけです。このガイドリズムはクリックの音色を9のタイプから選択することができます。

 ガイドリズムが決まったら、いよいよ録音です。左のフットスイッチを押すと録音がはじまります。終わったら左か右のフットスイッチを押すだけです。左なら録音は終了してプレイバックがそのまま始まります。右なら録音もプレイバックも停止します。ガイドリズムを利用している時には、始まりと終わりのタイミングは自動調節してくれますから、フットスイッチを押すタイミングは少々ラフでも大丈夫です。もしも失敗したら、左のフットスイッチを押し続けるだけで消去できます。

 次にオーバーダビングをしましょう。これも簡単、プレイバック中に左のフットスイッチを押すだけです。左か右のフットスイッチを押すとオーバーダビングの終了です。もしも失敗したら、左のフットスイッチを押し続けるだけでオーバーダビングの録音だけを消去できますから、気軽にオーバーダビングしちゃってください。オーバーダビングを繰り返してループを完成させましょう。最後に、CFカードへ完成したループを保存して終了です。どうです、簡単でしょ。失敗してもすぐに直前の状態に戻れますから、ホント気軽にループが作れますし、実験的なことも安心して行えますね。

 入力は、ギター、マイク、ラインと3系統あり、ギター、マイクは同時に録音できます。ラインはセンターキャンセル機能付きですから、既存のCDからカラオケの制作も可能です。テンポチェンジ機能を利用すれば、スロー再生させる耳コピ支援マシンとしても使えます。

 JamMan(R)には、チェイン・プレイバックという機能があります。これはプレイバック中にループ・チェンジされても、すぐにはループ・チェンジは行われず、ループの終端までプレイバックしてから次のループをプレイバックする機能です。これによってパターンの違うループをシームレスに連結してプレイバックできますから、イントロ、平歌、サビ、エンディングといた基本パターンを作っておけば、それらがシームレスにつながった状態でプレイバックされるので、単調なループ・プレイではなく、完全な1曲として演奏することもできます。

 最後に、JamMan(R)にはUSB端子が装備されています。これによってJamMan(R)自体がCFカード・リーダーとして機能するため、CFカードに記録されたループのバックアップやライブラリ管理がコンピュータで簡単にできます。これを利用すれば標準装備の128MBカードでも十分な記録容量といえるでしょう。残念なのは、バッテリーで動作しないことくらいです。バッテリーで動作してくれれば、屋外でのサンプル収集にも使えるのにと思ってしまうのは私だけでしょうか。